お寺の日々 2020.06.30
蓮
高田本山から蓮をいただいてきてからかれこれ5〜6年になります。毎年植え替え、
いろいろ手法を変えながら今年は咲くかな、どうかなと楽しんでおります。
ぼんやり蓮を見ていてもよし。
また、蓮から何かを学ぶもよし。
蓮は、お浄土や仏さまの象徴。
そんな蓮の姿から、いろいろなお徳があり私たちに伝えてくださっています。
そのひとつに
泥中君子
というおことばがあります。
蓮は泥の中より生まれ出て、しかもその泥にも染まらず、清浄で無垢な美しい華を咲かせるところから、
汚れに染まらない=不染ということを説く教え、尊い人のようである、とお伝えしています。
また「入出二門偈」の一句に
「高原陸地不生蓮華」=「高原の陸地に蓮華は生まれない」
と、おことばがあり、高原の清流の中では蓮の花は咲かないことが伝えられるわけです。
そんなおことばを鏡のように私に照らしてみれば、、、、
仏様の教えはきれいな環境では通じることではなく、反対に今現在、悩み悲しみを抱え、
ドロドロとしたこの私たちが生きている世界の中だからこそはたらいてくださっています。
そして、その泥に染まることのない素晴らしい教え、つまり、悩みや悲しみを抱えた、
この私を目当てとした教えなのである、と言うことを蓮の姿からお教えいただけます。
でも、ただ見ていてもよし。
近くへ寄られましたら是非ご鑑賞くださいませ。
副住職拝