お寺の日々 2025.03.03
3月の伝道掲示板

「おかげさまといえる人生に孤独はない」
「お(ご)」と「さま」をつける日本語って思いのほか多くあります。
・おたがいさま
・おつかれさま
・ごちそうさま
・おせわさま
・ごくろうさま
など他にもまだまだありますが、経緯や感謝の具合をさらに上位互換するために「お(ご)」と「さま」をつけていまよね。
おかげさまもそのひとつ。ただの「かげ」であるのに「お」と「さま」をつけています。
目に見えない、気が付かない、けれどもそういった「おかげさま」によって、「おかげさま」の支えがあって、私が存在してきた事実がこの言葉に含まれています。
けれども、仏教では「独生独死独去独来」が説かれます。
「独り生じ独り死し、独り去り独り来る」
人は、所詮独りの人生です。生まれてくるときも死ぬ時も独りです。たとえ多くの人々に見守られていたとしても、その生死には孤独で立ち向かわなければなりません。誰とも共にすることもなく、誰にも代わってもらうことはできないのが、人生の定説です。
そんな私は、当然のように人とつながりを持たなくては生きてはいけない存在ではありますが、どこかで孤独を感じている、孤独を恐れています。
そんな孤独な人生の姿に気づいた時、つねに(いつでも)、ここに(わたしと)、ともに(一緒に)寄り添っていてくださるほとけさまの大きな慈悲に気付かされ、喜びの人生となるのではないでしょうか。
目に見えるものが全てではない。
おかげさまを感じることで、孤独ではない大切な人生が垣間見えると思います。
南無阿弥陀佛